「オーガスタ」玄関に2025.09.19

植物があるだけで変わる空間
写真に写っているのは、わが家のリビングに置いている大きなストレリチアです。南国のバナナの木のような大きな葉を持ち、インテリアグリーンとして人気のある植物です。決して派手な花が咲くわけではありませんが、凛とした立ち姿と深い緑が、部屋全体を落ち着いた雰囲気にしてくれます。
工務店で働く中でよく耳にするのが、「せっかく新築するならインテリアにもこだわりたい」というお客様の声です。壁紙や床材、建具の色合いを整えるのはもちろんですが、そこに観葉植物が一つあるだけで、驚くほど空間の印象が変わります。植物は人工物とは違い、同じものが二つとない存在。その個性が暮らしに豊かさを与えてくれるのだと思います。
鳥取の暮らしとインテリアグリーン
鳥取市は冬の寒さが厳しく、雪も降ります。外で南国の植物を育てるのは難しい環境ですが、室内なら安心です。お客様の中にも「冬場は外が寂しいから、家の中に緑を取り入れたい」とおっしゃる方が多くいらっしゃいます。
そこで工務店の立場からおすすめしているのが、窓の配置や採光計画を工夫することです。たとえば南向きの大きな窓を設ければ、冬でもやわらかな日差しが入り、観葉植物も元気に育ちます。また、吹き抜けや高窓を取り入れることで、明るく風通しの良いリビングを実現でき、植物だけでなく人にとっても快適な空間になります。
私たち工務店の役割は、家を建てるだけではなく、「暮らしをどう楽しむか」を一緒に考えることにあると思います。観葉植物を飾ることを前提に、窓の位置やコンセントの配置を工夫すれば、水やりやお手入れもしやすくなります。
パート目線で見える「暮らしのリアル」
工務店の事務仕事をしていると、お客様との打ち合わせで出てくる希望や不安に触れる機会があります。設計士や現場監督が専門的なアドバイスをするのに対し、私は主婦や母親としての感覚で、「その暮らし方、実際どうだろう?」と考えることがよくあります。
たとえば大きな観葉植物を置くとなれば、置き場所や動線が重要です。掃除の邪魔にならないか、子どもがぶつからないか、水やりで床が傷まないか。そういった細かな気配りも、家づくりの大切な要素だと思います。
写真のように、鉢の下に受け皿や台を置くだけで床の傷みは防げますし、日当たりを求めて移動させる時も楽になります。お客様にそうした工夫をお伝えすると、「なるほど、そんな視点はなかった」と喜んでいただけることもあります。
鳥取市の家づくりに求められるもの
鳥取のように四季がはっきりしている地域では、季節ごとの暮らし方の違いに対応できる家づくりが求められます。冬は雪や寒さ、夏は強い日差しや湿気。それぞれに快適さを保つ工夫が必要です。
観葉植物はそうした環境の変化に敏感です。冬に乾燥しすぎれば葉が傷み、夏に直射日光を浴びすぎれば焼けてしまいます。だからこそ、家の設計段階から「どんな暮らしをしたいか」をイメージしていただきたいのです。
鳥取市で工務店を営む私たちは、単に間取りを考えるのではなく、「リビングに大きなグリーンを置きたい」「家族で植物を育てたい」といった小さな希望まで大切にしたいと思っています。その積み重ねが、長く住み続けたくなる家につながるのだと感じています。